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もう"スーツ"とは呼ばない?

更新日:2024年8月21日




こんにちは




お盆休み皆さんゆっくり休めていますか

8月10日(土)から18日(日)まで休みという方が多いと思いますが、暦通り13日まで休みで昨日から通常通り仕事という方もいらっしゃるかと思います




僕は今まで接客業ばかりで土日はじめお盆やGWなども仕事だったので正直あまり苦ではないのですが、連休を味わってしまうと出勤が憂鬱になっちゃいますよね

でも多分大体の人がそうなんですけどね

雇われている身としては休んでも働いても給料が変わらないのなら働きたくないというのが本音ですが、そんな都合良くいかないものです

時々解放されたい気分に襲われる日もあると思いますが、そんな時は仕事終わりにお酒でも飲みながら好きな動画を見たり音楽など嗜んでリラックスする時間を確保してみてください




っと脱線しすぎたので本題に戻ります




題名の通りもう"スーツ"とは呼ばない?というお話をしたいと思います

僕はHPの中でスーツや紳士服と書く2パターンがあるのですがどう使い分けているのか




答えは全く同じ意味合いで使っています

ではなぜ分ける必要があるのか?

個人的に"スーツ"という呼び方は死語になりつつあると考えているからです

では紳士服と聞いてスーツを連想する人がどれほどいるのかと聞かれると、大体6〜7割の人がスーツを想像すると思います

セットアップと聞けば、2〜3割の人がスーツをなんとなく想像すると思いますがかなりカジュアルな印象だと思います

でもスーツと聞けば9〜10割の人が一般的なスーツを連想すると思います




なにが言いたいのかと言うと、使い分ける理由としてはわかりやすさです

でも先ほど申し上げた通り、僕はスーツという言葉がもう死語になりつつあると思っています



それはなぜか



日本ではスーツに対して昔ながらのサラリーマンの印象が残っていることが強く影響していると思います

ファッションへと昇華させるうえで、たかが言い方一つでも古くささやダサいという印象が強く残ってしまうため紳士服と言い換えています

個人的には紳士服という言い方もピンときていないのでいつか"背広"という呼び方に変えようかなと考えていますが




どうしてそういった印象になってしまったのかを考えるには少しだけ日本の歴史を知らなくてはいけません

団塊世代と呼ばれる子供が多かった世代(今の70代くらい)が中心となり、バブルを迎え景気が良くなり街にはビルが建ち、空港や電車などが増えて利便が良くなったことでスーツを着るサラリーマンというのが急増しました

さらにその子供世代も人が多く、学校を卒業した人はサラリーマンになることも多く、サラリーマン=スーツを着るというイメージになっていきます

その後1990年代初頭にバブルが崩壊したことで日本の景気は下がり、不景気と呼ばれる時代が30年以上経った現在まで続きます




ですがそんなすぐに切り替えられるものではなく、スーツの着用頻度は変わりませんでした

それなのに収入が減ったことで質より量に意識が向けられるようになります

今まで一着仕立てれば数十万、百貨店で7〜8万したスーツが、某大手スーツ店などから3〜4万円と半額以下で買えるようになり、安価なスーツがどんどん売れるようになります

ここが既製品ですが所謂ビジネススーツの絶頂期を迎えます




そこから約30年後、団塊世代から仕事を引退する人が増えたことでスーツを着る人が減り、さらにコロナをきっかけにスーツの着用頻度もガラッと変わります

そもそも出勤せずとも仕事ができる環境が手に入り、私服でも仕事ができる企業が増えました

そうなった現代から見ると、スーツというのはサラリーマンが着るもので作業着に近い認識により変わりました

これがスーツという言葉に古い印象を抱く理由だと思います




近年では"スーツ"という言葉が死語になりつつあるはずなのに、それでもジャケットやスラックスを着る紳士に憧れるのは何故か

より普遍的な物に対する安心感や信頼みたいなものが評価される時代になったからだと思います

さらに日本は良いものを見ているからなのか、本来流行りに左右されづらい性質を持っている気がします




僕はオーダースーツは現代に合っていると思っています

1980〜1990年代のサラリーマンを連想させるスーツではなく、2020年以降からは自分だけの特別な一着を仕立てる時代になったと思います

簡単に言えば、量より質にこだわる時代になってきていると思います




物や情報が溢れている現代だからこそ自分だけの贅沢なオーダーに価値が増していると思います

そして紳士服のオーダーというものはサラリーマンでも作業着でもなく、自分を一番魅力的に見せる洋服なのだと考えていただきたいです

みんなと同じが正解ではなく、自由な表現を大切にする時代になったと思います




そして日本が持つ職人や技術は素晴らしいです

ですが、その技術や意志の継承もされずに確かに少しずつ廃れてきています

だから価値を下げたくない、楽しさをたくさんの人に知ってもらいたい、そういうことを若いやつが取り組んで発信することに意味があるのかなと思って取り組んでいます




川久保 玲が今忘れてしまった大切なことを言葉にしてくれていると思います

日本にはかっこいい背広がない、それなら自分が作ろうとスタートさせたコムデギャルソン

コムデギャルソンの意味は『少年のように』

責める姿勢を忘れずに第一線で闘い続けている川久保 玲は「良いものは高い」と言いました

攻めている証拠だと思います

日本も良いものは高いのだと自分たちの仕事にプライドを持っていいと思います




そんなことを考えながらまた今日も酒でも飲もうと思います

夏になると聴きたくなる日本のフォークソングでもアテにします


西岡恭蔵 / GYPSY SONG



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長くなってしまいましたが、本日もご覧いただきありがとうございました

何かご質問などありましたらお気軽にお問い合わせください!




<現在の納期>

10月上旬予定

※着用日がお決まりの方はお早めにご相談ください




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