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生地紹介 伝統と格式 ツイードの女王"Harris Tweed"




こんにちは



最近朝早く起きることが多いのですが、早朝がすごく寒くて

やっと秋になってきたなと感じます

個人的には秋冬が好きなので嬉しいですが



少しずつ寒くなってきたということで、本日は秋冬を代表するツイード生地から、スコットランドのハリス島から始まったブランド"Harris Tweed"をご紹介



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Harris Tweed

-ハリスツイード-



元々はスコットランドにあるアウター・ヘブリディーズ諸島で織られていた伝統的な生地をツイードと呼び、かなり肉厚で耐久性と保温性に優れており、猟師が着る服に使われたりとスコットランドの雨が多く寒い気候では重宝されていました



ハリスツイードの歴史は古く今から180年ほど前まで遡ります

1846年にレディ・ダンモアという人物がハリス島の職人にマレータータンを織ってもらったことから始まります

その生地の高いクオリティに周囲の評判も良く、レディ・ダンモアは熱心に営業をかけ生産方法の改善などに注力したことで売上を伸ばし、ロンドンでも販売されるようになります



品質の高いツイード生地はどんどん人気が高まり、保温性などの機能性だけではなく、生地の質感や柄など様々な点で評価され、社交界からの重要も増えていきました



1903〜1906年頃になるとハリス島でのツイード産業が本格化していきます

ハリス島のツイードを模造品から保護するため、1905年に制定された登録商標法に基づきハリスツイードの名前を申請しました

その後1909年に正式に登録され、1910年に付与されました

1911年にとある規定が定められます

それはストーノウェイ会議で定められた紡績機械によって作られ、さらにハリスツイード協会に認められたもののみが、ハリスツイードと名乗って良いという厳しい審査が設けられました



1990年代初頭には、二重幅織機、織工の再訓練などさらに厳しい品質基準を導入したことで、従来よりも柔らかく軽いツイード生地を織ることができるようになりさらに評価を受けることになります

そして現在でもその厳しい審査は続けられています



1993年には英国議会によって、伝統的な織物の衰退を避けるためにハリスツイード条例を制定

ハリスツイードの技術や製品は国際的な保護のもとに置かれるようになりました



伝統やクオリティを守るために、製法や技術の継承は今でも続けられています

そして厳しい基準をクリアしたツイード生地のみがハリスツイードのロゴの使用を許可されます



ハリスツイードは製法にもこだわりがあり、

初夏にスコットランド本土で育った羊の毛を刈り上げ、ハリスツイードの特徴でもある混じりけのないヴァージンウールが使用します



その後ウールを洗浄・染色しツイードを織る職人の元へ送られます

染色されたウールと白いウールの所定の割合を量り、完璧な色合いをだす為に正確な製法で配合します



そして各織工の自宅で足踏織機によって丁寧に織られています

仕上げをした生地はハリスツイード協会が検査をして、クリアしたツイード生地のみがハリスツイードとして世の中に出ていきます



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Turquoise

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ファンシーな大きめのグレンチェック柄がかっこよくてお気に入りの生地です

ブラウンとターコイズの二種類


ブラウンは少しカントリーぽいジャケットでも良いですし、ダブルのジャケットでコート代わりにしてもおすすめです


ターコイズの方は薄いグレーとの相性がもの凄く良いです

背広(ジャケット+スラックス)で仕立てて、ジャケット、スラックスそれぞれ別々で着れるくらい汎用性も高いと思います


ツイードでも柔らかくストレスなく着ることができます

伝統を守りながらさらに技術を磨き上げ続ける姿勢は、生地に触れて着て初めて感じることができると思います



説明が長くなってしまいましたがハリスツイードとは伝統があり、継承する職人がいて、それを守る人がいて多くの人が関わって成り立っています



正直、デパートとかでハリスツイードのタグが付いたちょっとした安価な商品を見たことあるという方もいると思います

ただ、そこについては様々な問題があります



近年ハリスツイード協会では、協会が定めた規定をクリアしていない不適切商品が市場に出回っていることが問題視されています

本来ハリスツイードは生地ブランドであり、他ブランドとのコラボという表現をハリスツイードは認めていないと協会の代表が発言しています

※不適切商品とは

製品の表面50%以上にハリスツイードを用いていないのに、ハリスツイードの認証ラベルやロゴを使用しているもの(ハリスツイードが特別に許可を出しているものは除く)



ハリスツイードの生地を購入して使用することは許されていても、ハリスツイードとのコラボ商品というのは認められていません

ここが難しいラインとなっています



僕のようなオーダー店は、ハリスツイードの厳しい基準をクリアして認められた生地のみを仕入れています

そのハリスツイードの生地を使って洋服を仕立てますがコラボとかではありません

本来ハリスツイードが目的としている、素材としてツイード生地を購入して服作りに使用していることになるので問題ありません



そう考えると不適切商品とかでなくても、実は日常的にハリスツイードが使われていて気づかずに使っていたことがあるという方もいるかもしれません

それくらい日常に馴染む素材なのです



ハリスツイードではありませんが、ツイードで印象的なのはCHANELのツイードですね

「着心地が良くて、たとえ車を運転していても女性らしさを損なわない服作りをしたいとずっと考えていたの」

ココ・シャネルは、そう言って女性が自由を謳歌できる服作りをしてきました

タフで保温性に優れた機能性重視だったツイード生地を使用したシャネルスーツを作りました

※CHANELが使用したツイード生地は、イギリスのリントン社製のツイード生地なのでハリスツイードとは別物です



これは男性のイメージが強かったツイード生地の印象をガラッと変えた大きなきっかけでした

現代でも一般的には男性的なイメージが強い生地にはなりますが僕はあまり気にせず着てほしいと考えています

ごわっとした手触りですが、柔らかく織られたツイード生地もありますし、そういった厚手なツイード生地を使ったジャケットはコート代わりになるくらい重宝されます



ただ、ココ・シャネルが言っていた「着心地が良くて、たとえ車を運転していても女性らしさを損なわない服作りをしたいとずっと考えていたの」この言葉は現代により合っているように感じます



ココ・シャネルが目指したのは、動きやすさと着心地の良さ、そして美しさや気品という贅沢を詰め込んだような服だと思います

どうしても安いもの、高いものそれぞれに理由があります

物が溢れている現代だからこそ、本物を求めていくようにしないとお金をかけても意味をなさない可能性があると思っています



時々、ココ・シャネルの言葉を思い出して、僕なら仕立屋としてどう落とし込むことができるのかなんて一人でふと考えたりします

こうして学ぶとまだまだおもしろい課題がたくさんあるので、僕もハリスツイードのこだわりや継承などから刺激を受けて励んでいきたいと思います



長くなってしまいました!

ここまで読んでいただきありがとうございます

ご興味のある方は気軽にお問い合わせください



Harris Tweed


◻︎SUITS : 160,000円

◻︎JACKET : 100,000円

◻︎SLACKS : 65,000円

※税抜価格



<現在の納期>

2024年12月予定

※着用日がお決まりの方はお早めにご相談ください




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